株損益概算(前日比)
マクドナルドは大きく変わらず。
株式相場
連日これだけ上がったわけだから、当然の調整。
雑談
とある短編不倫小説を、最近読み返したんだけど。
いやー、改めてなかなか考えされられる内容で。
主人公は40歳の主婦。
その主婦の高校の同級生に、平凡を絵に描いたような鈴木君ってのがいて、彼は医者になって結婚もしていた。
その鈴木君とふとしたキッカケで24年振りに会うことになり、そこから不倫の関係に。
が、この小説のすごいところは、よくありがちな、甘く濃密な逢瀬を書いてるわけでも、バレた後の壮絶な修羅場を書いてるわけでもないところで。
じゃー、どんなことが書かれてるのかって・・。
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私はいつのまにか鈴木君のことを私にとってかけがえのない素晴らしい人ではないかと思うようになりました。
いや、素晴らしい人と言うのとも違う。
私たちはもしかすると、ものすごく相性のいい運命の二人だったのではないか。
これほどぴったりの相手はいないのではないか。
だから、 長い空白があったにも関わらず、こんな風に結ばれたのだと私は女だからついロマンチックなことを考えます。
そして、私の人生にも思いを馳せました。
鈴木君の奥さんの場所は本来私が座るべきものだったのではないだろうか。
医師の妻として知的で豊かな生活を送るのはもともと私が享受すべきものではないだろうか。
ところが、こんないやらしい私の心が伝わったのでしょうか。
鈴木君からピタッとメールが来なくなったのです。
一体どうしたのかと思うものの、勤務先や自宅にも電話するわけにも行きません。
私は2ヶ月後の間、悶々と1人過ごしました。
誰にも打ち明けられない秘密で苦しむのは大層辛いものです。
そして、ある日私はディスプレイの中に鈴木君のメールを見つけました。
ご無沙汰してすいません、という挨拶の後、衝撃な言葉がいきなり目の中に飛び込んできました。
俺は肝臓が悪いんだ。
それほどお酒を飲んでいたわけでもないのに治るのが難しい肝硬変にかかり、このままでは癌に進むというのです。
メールもすっかり途絶えた鈴木君は今、入退院を繰り返していて髪の毛もすっかり抜け、 まるで別人のようになっていると友人が教えてくれました。
私が会ったのは鈴木君の一番いい時だったのです。
それなのに、私が真っ先に感じたのは「不倫っていいな」ということでした。
これが奥さんだったら、これからの収入はどうなるか、子供達の教育は、と鬼のような目つきになるはずです。
病人の看病も大抵のことではできないでしょう。
それなのに、私は全盛期の鈴木君と出会い、まるで小鳥がついばむように、美味しいものだけをお腹に流し込んできたのです。
今、私は彼について何の責任も感じなくていい、気の毒にという気持ちはあるけれど、 それもやがて薄らいでいくに違いありません。
奥さんでなくてよかったと私はついこの間まで羨望のあまり、不快さの対象になった人のことを考えました。
これからさぞかし苦労するんでしょうね。
世の中一体何が起こるかわからないと私は しみじみとします。
鈴木君にはかわいそうですが、私が今一番強く感じているのは安堵なのです。
うまくこちら側に逃げてきたという感じです。
しかも、誰にも知られずにです。
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私は全盛期の鈴木君と出会い、まるで小鳥がついばむように、美味しいものだけをお腹に流し込んできたのです
いやー、この表現はなかなかしびれたな。
そいでもって、なんていうか、ある意味、修羅場より怖い話かも。
だけども、正直言って。
不倫の真理なんじゃないかなと・・・。