株損益概算(前日比)
ひろぎんは大きく変わらず。
メンタルヘルスは+8.8万。
アビストは+1.2万。
株式相場
いい感じ、いい感じ。
雑談
先日、とある短編小説を読んだ。
もう読む前から、題名だけで何だかそそられてしまったのだが。
「横浜橫須賀道路」
縁もゆかりもないのに。
見も知らずの男と女がカーチェイスっぽくなるんだけど、その表現がなんだかとてもワクワクさせてくれて。
黄色いフェラーリ360モデナVS真っ赤なアルファロメオスパイダー
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人間は本来、食欲や性欲と同じようにスピードに対する欲求を持っているのかもしれない。
けれどたいていそれに気がつかない。
フェラーリは、人間にスピード欲を自覚させるために生まれたクルマなのだ。
未緒の目の前に360モデナが現れたと思うと、それはあっという間に小さくなっていった。
鼻であしらわれた気分だった。
未緒はかっとして、床にこすりつけるようにアクセル・ペダルを踏みつけた。
スパイダーは楽天的にきしみながらも、前へ前へと出ていった。
未緒は車体がきしめばきしむほど、マゾヒスティックな喜びを感じた。
未緒の中で、不安定なものに対する疑問が蒸発するように麻痺していった。
このままスパイダーがばらばらになってしまうのではないかと思ったが、不思議と怖くはなかった。
スピードメーターの数字が180近くなった時、未緒は360モデナに追いついた。
モデナはのんびり走る灰色のクルマの後ろにちんまりと収まり、まるでスパイダーを待っていたようだった。
スパイダーと360モデナは、空気の振動を競うように走った。
真人は、しつこいスパイダーだな、と思ったけれど、嫌な気分ではなかった。
頭の中では加速していくスピードと一緒に、仕事や税金、これからの日常やあの女のことなんかがすべて溶けてなくなっていった。
ただただ速く動かすことだけを考え、ついには言葉まで失って、スピードだけが自分の意志を伝える手段のような気がした。
速度を増す度に、未緒は身体じゅうの感覚がめくられていくような感じがした。
リズミカルな振動は、思考から具体性を奪い、刹那的な反応だけを尖らせていった。
真っ赤な塊は、黄色い流線形に追いついたり離されたりしながら、横浜横須賀道路をすべっていった。
ゆるやかなカーブで二台がぴたりと並んだ瞬間、未緒はハンドルを切るタイミングをずらしてしまった。
スパイダーは横にすべり、吸い込まれるように360モデナに近づいていった。
真人は、いきなり襲いかかってきた真っ赤な塊から逃げるように、必死でアクセル・ペダルを踏みこんだ。
乾いたエンジン音とともにそれを振り切ったが、神経がひりひりした。
未緒はその時、ああ、ぶつかった!と思い目をつぶってしまった。
気がつくと、前と同じようにハンドルを握りアクセル・ペダルを踏んでいた。
小さくなっていく黄色い流線形を見ながら、その場に座り込みたい気分になった。
手は震え、身体じゅうに汗をかいていた。
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このブログを書きながら、ただ書いてるだけなのに、異常なほど楽しい気持ちになってしまった自分が不思議。