株損益概算(前日比)
クリエイトSDHは+1万。
日本たばこ産業は-3.1万。
新日本製薬は-1.2万。
株式相場
昨日上げたし、金曜だし、利益出てる人が売った感じで普通の調整。
雑談
「サラリーマンなんかもうやってられるか!」
そう考え、一刻も早く退職して株の配当金のみで生活したいと考える人がいる。
いわゆる、セミリタイアを目指すというもの。
そんな人たちのほとんどは、何となく「高配当優良株投資法」を行っている。
ザックリいえば、高配当でかつ増配の期待が持てる優良株をいくつかピックアップし、長期に渡り、少しずつ買い増ししていくという投資法。
一見、誰にでもできそうだが、実はとても難しい。
普通の人ではまず成功しない。
なぜか?
ほとんどの人が「中途半端」に終わるから。
それでは「中途半端」とはどんなものなのか。分かりやすい例を。
ちょうど5年ほど前、上司にも仕事内容にも心底嫌気がさし、サラリーマン生活をこの先ずっと続けるのは無理だと考えた。
何か方法はないか。
経済情報誌で「高配当でかつ東証一部の優良株を買い続けるという投資法」を見つけた。
ネットで検索すると、この手法で成功している人たちがたくさんいるらしい。
「よし、おれも夢のセミリタイヤを目指す」
彼女もおらず、仕事ばかりしていたから、少しばかりお金はある。
今ある200万を軍資金とし、厳選された銘柄を買い、その後も毎月、給料の何割かを買い増しにあてていく。
まずは何といっても銘柄選び。
四季報や配当利回りランキングを見ると「高配当優良株といえば」という銘柄が2銘柄出てきた。
日本たばこ産業と日産自動車だ。
日本を代表する優良銘柄であり、かつこれだけ高い配当を出す会社はなかなか無い。
「禁煙」や「自動運転」という時代の流れを考えると、将来性に不安がないわけではないが、つぶれることはないだろう。
「よし、この2銘柄を軸でやっていく」
それぞれ100万投資。
といっても、いきなり100万一括で買い付けることはしない。
それくらいは知っている。投資の本を少しは読んだから。
時間的分散をしなければいけないんだろう。分かってるって。
銘柄的分散もしなければいけないんだろう。分かってるって。
同じかごにたくさんの卵をのせてはいけないんだろう。分かってるって。
この2銘柄以外の銘柄もいくつかピックアップし、日経平均株価が暴落し、連れ安したタイミングのときだけ、少しずつ買い増していった。
それでは、5年経った今、軸に据えた2銘柄の株価がどうなったか見てみよう。
ちなみに、この5年間の日経平均株価はアベノミクス効果もあって、右肩上がり。
◇日経平均株価月足チャート
全体相場は好調。
これを踏まえて2銘柄の状況は。
◇日本たばこ産業の月足チャート。
◇日産自動車の月足チャート
この5年、どれだけ良いタイミングで分散して買っていたとしても、残念ながら2銘柄とも完全なる含み損。
この5年もらってきた配当を合計しても補いきれない損失。
さて、この結果を見て、どう考えるだろうか。
超優良銘柄でもこんなことになるのか。
全体は上がっているのに右肩下がりって。
5年も頑張ってきたのにツラすぎる。
総額500万はつぎ込んでいるのに含み損・・・。
500万を何か別のものに投資したら、少なくとも5万くらいは稼げたんじゃないか。
これなら銀行に預けておいた方がまだよかったのでは。
おれならもうこんな投資法はやめる。全て売って別の投資法を探す。
と、もしこんな風に考えてしまうのであれば。
まさに。
「中途半端」
何が中途半端かって。
たった5年で結果を求めようとすること。
・この投資法自体が悪いわけではない。
・JTと日産が倒産したわけでもない。
・配当が無くなったわけでもない。
少なくとも10年、20年は投資し続けなければ。
とは言いつつも、普通の人は5年も持たない。
おそらく5年どころか3年も経たないうちにギブアップしてしまうだろう。
なぜか?
含み損に耐えられないから。
頭の中が含み損でいっぱいになってしまい、日々の生活に支障をきたしてしまうから。
最後に、何が言いたいかと言えば。
「高配当優良株投資法」で成功しているように見える人を見て、軽い気持ちでやってみようとは思わない方がいいかもしれない。
そもそも銘柄選別の段階で間違っていたら、続ければ続けるほど、ドツボにハマる。
また、その銘柄選別において、もし日本株しか頭にないのであれば、この部分でも中途半端。
外国株式もポートフォリオに入れてしかるべき。
外国株式も含めた相当な金融知識を持っていることもこの投資法で成功するための条件になってくる。
つまり。
何となくで中途半端な「高配当優良株投資法」をやっても、サラリーマン生活からのセミリタイアは難しい。