【休場日不定期投稿】
私は七面鳥
私は七面鳥。
生まれたときから自由だ。
住まいはそれほど広くないが、いつでも動きまわって遊び回ることができる。
誰にも怒られることがないからノーストレス。
それに。
なんていっても食事が最高だ。
いつも栄養満点のものをたっぷり与えてくれる。
与えてくれる「人間」には感謝しかない。
「人間」はなんて優しいんだ。
ところで、最近、心なしか出てくる食事量が多くなってきたような。
そのせいでかなり太ってしまった。
まあ、別にどうでもいいことなのだが。
これからも自由に、何の悩みや苦しいこともなく、生きていく。
そんな幸せな生活が続いたある日のこと。
街で盛大に行われる感謝祭を明日に控えた午後。
なんの前触れもなく、それは起こる。
「人間」が近づいてきた。
「あれ、夕飯にはちょっと早い時間だけどなー」
「ん?」
「なんか手に持ってる・・・」
「鋭利なもの?」
「・・・」
七面鳥の人生(鳥生)をチャートで表せば。
七面鳥は、
「人間」に生かされていたのだ。
この話は昔少しだけ話題になったある本を極端に分かりやすくアレンジしたもの。
さて、私たちは生まれてきて、あるとき、株式というものを知る。
そして、はまる。
もちろん負けることもあるが、基本的には「相場」を楽しんでいる。
とんでもないお金を「相場」からいただけることもあるわけで。
大損だけはしないように細心の注意を払いながら「相場」を楽しみ、幸せな日々を過ごしている。
ではもし。
なんの前触れもなく。
想像もできないような、とんでもないことが「相場」で起きたとしたら?
結果、突如投資金額の全額がゼロになってしまったら。
その投資家の資産をチャートで表せば。
私たちは、
「相場」に生かされているのだ。
この話は空想の話ではない。
リーマンショックやフラッシュクラッシュなど、表記したチャートに近いことが過去に実際起きている。
何が言いたいかと言えば。
「投資の世界は誰にも想像できないようなことが起こるから、投資額全てを相場へ投入してはいけない」ということを体に染み込ませておく。
ブラックスワンとは
ブラックスワンとは
「ありえなくて起こりえない」と思われていたことが急に生じた場合、「予測できない」、「非常に強い衝撃を与える」という理論。
とりわけ予測できない金融危機と自然災害をよく表している。
ヨーロッパでは白鳥は白い鳥だけと思われていたが、1697年にオーストラリアで黒い白鳥(コクチョウ:ブラック・スワン)が発見される。
以来、ありえなくて起こりえないことを述べる場合、“ブラックスワン”という言葉を使うようになった。
最後にもう一度。
あなたは七面鳥。
ずっと幸せだった。
永遠に続くと思っていた。
ある日、優しいと思っていた人間が近づいてきた。
なんの前触れもなく、それは起こる。
刃物を振りかざされ・・・
今、もし胸にいやーな後味が生まれたならば。
体にはしっかりと「投資の恐怖」が染みこまれたはず。